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18.トクベツ 「お、立ち読み職人発見!」 「誰が立ち読み職人よ」 学校帰り、本屋で雑誌を立ち読みしているところに、同じクラスの千石がやって来た。向こうは部活帰りみたい。 ということは、千石がテニスに励んでいた時間が、わたしが立ち読みに励んでいた時間か。 ……我ながら、立ち読みしすぎな気がする。 「何をそんな熱心に読んでんの? あ、占い? 俺も占い大好きー」 ちょうど占いコーナーにさしかかったのを目敏く見つけ、ページを覗き込んでくる千石。 「あ、今月のラッキーカラーはオレンジだって。ちょうどいいオレンジがここにあるよん♪ 連れて歩くと、いいことあるかも!」 すぐさまわたしの星座欄に目を通した彼は、笑顔で自身の明るい髪を指差した。 うん、確かにちょうどいいオレンジだ。連れて歩くと、いいことあるかもしれない。 でもそのオレンジを前に、驚いたわたしは、思わず彼を凝視した。 「あれ、どうしたの?」 その反応に、たじろぐ千石。 だってわたしにとって、さっきの発言は意外でしかなかったんだ。 だからこれは、素朴な疑問。 「わたしの星座知ってるの?」 同じクラスだし、そこそこ話す方だけど、誕生日の話はしたことがなかったし、わざわざ聞いたことも聞かれたこともない。 本当に不思議で、素直な気持ちで聞いたんだけど、千石はそう来るとは思わなかったらしい。 「あー、まあ……うん、こんなとこで言うのもどうかと思うけど、いい機会だから言っとくね」 わずかに歯切れの悪さを見せたものの、意を決したらしい彼は困ったように笑うと、 「そりゃ、好きな子の誕生日は調べるっしょ」 トクベツだもの。 好きな子の知らないことは知りたいよ。 そう言った。 −END− 2017.12.26 |